お前さんの出る幕じゃない

あー、もうね、
言わせてもらいますよ。
そりゃお前が良くないよ、なんて御意見はね、一切受け付けませんよ。
アンチな意見なんて言うんでしょ?昨今では。
知るか!んなもん!
あれは仙台での夜のこと……
M.J.Qのライブを終え、
もはや行きつけの感ある居酒屋で打ち上げをし、
明日も早いってんで、
もう一杯いきたいところを切り上げて、
タクシーに乗って宿に向かったわけですよ。
真っ暗な中、着いたのはひなびた和風旅館。
ラドン温泉がウリのようですが、
ラドンって何?
ラドン温泉って何だか懐かしい響きというか、
昭和なニオイがするなぁ、なんて靴を脱いで見渡せば、
なるほど確かに昭和のニオイが残ってる館内、
と言えば聞こえはいいですが、
要は栄えていた頃の時間が止まったまま。
出てきたのは、
てっぺん回ってのチェックインを差し引いたとしても無愛想な従業員の男。
入った和室には布団が4つ。
まずですね、
そもそもミチロウさんは当初、一人一部屋つまり四部屋予約してくれていたのですよ。
それがですよ、
宿泊日近付くになったある日、
宿側から、予約が増えたから四人一部屋に変えてくれ、
さらには一人一部屋だと予約した時より料金が高くなる、なんて事を言って来たらしいんですよ。
誠に勝手なオハナシであります。
楽天パレード関連で仙台市内、ホテルがなかなか取れなかった状況。
そしてこちらとしては経費をなるべく抑えねばならないという事情。
背に腹は代えられません。
四人で川の字プラス一本でもって寝るわけですが、
だったら着いた際に先方から、
この度は勝手な予約の変更申し訳ありません、の一言くらいあってもいいでしょうよ。
さて、部屋に入り荷物を置いて、風呂入って寝るべか、となったのですが、
オーマイガー!!
タクシーのトランクに衣装忘れてしまったー!
慌てて領収書をひっぱり出しタクシー会社に電話。
とても親切な対応で、
当のタクシーに連絡して、忘れ物を旅館まで届けてくれる段取りをしてくれました。
余計な手間をかけてしまい、タクシーの運転手さんには申し訳ありません。
ここは少なくとも先ほど乗ってきた時と同じ料金を払うのが筋ってもんだよな、と思いながら待っていると、部屋にフロントから電話。
松ちゃんが受けたのですが、
フロント曰く、
忘れ物を届けにタクシーが着いた。
運転手には然るべきチップを払ってやってくれ、と。
なして宿の人間からチップを払えと指示されなきゃならんのよ、
こちとらハナっからそのつもりだよ!
何だか気分悪いわぁ、と思いつつ、玄関に向かうとタクシー運転手。
忘れ物を受け取り、
「申し訳ありませんでした。これ、少ないですが」と「気持ち」を渡そうとすると、
「いやいや、いいよ。」と運転手。
「いやいやいや、わざわざ来てもらったわけですし。」とアタシ。
このやりとりが数回続きます。
ま、こういう時は大抵そういうもんです。
で、数回続いた末に、受け取ってもらい、
ありがとうございました、と閉まる、というのが通例です。
ですが、
やりとり数回続く中に、
先ほどの従業員がアタシの背後から大きな声で割って入るように、
「いいからいいから、もらっといてよ!」
いやいやいや、お前が言うセリフじゃないだろう!!!
呆気に取られていると、
運転手、その従業員のセリフを受けて小声で「じゃあ」と言って手を出して、「気持ち」受け取りハイ、サイナラってなもんで……
……なんだコレ?
運転手さんもさぁ、
手を出すタイミング、そこかよ……
なんとも間抜けな役回りとなった茶番劇に幕。
なんとも後味悪く、少なからず不愉快。
とりあえず風呂入って、
ひっくるめてその日の汚れをサッパリ落として、
そそくさ布団に潜り込み目を閉じて今日はもう寝るべ寝るべ。
でもやっぱり釈然としないまま、
QPodを取り出し、プレイリストから「落語」を選び、
お気に入りなやつを再生。
いつしかスヤスヤ眠っておりました。
しかも枕の段階で……

で、今日の一言。
「ほらほら、もう11月も終わりに近くなって来てコレ、ホントに今年も終わりに近付くわけですよ。今年も終わりに近付いてきておりますが、このままだとこの国も終わりに近付いているんじゃないか、なんて思わざるをえなかったりする、近付く今年の終わりの晴れた日の午後であります。」
